4月から、はるか遠い地に赴任が決まっている、日頃は離れて暮らしている息子が、
役所の手続きをするために、昨夜、帰って来た。
我が家で、一泊した。
夫は、首を長くして息子の帰りを待ちわびる。
日頃は、テレビザッピング、大音量なのに、テレビもつけず、
食事をしながら待っている間に、酔いがまわってきたようだ。
息子の顔を見ることができた頃は、イスから、ずり落ちんばかり。
(いつもは、、即、瞬く間に床暖房フロアーに転げ落ちる)
息子が自宅に到着して、しばらくして、酔いが醒めたものの、
嬉しくてしかたがないくせに、日頃は滅多に触らないiPadをいじくる。
一言も話さず、黙々といじっているので、
息子の食事が終わった後、
荔枝角通渠息子とわたしは、先に寝室に引っ込むと、
後を追うようにして、夫は消灯してリビングを後にした。
結局、息子と夫、二人は言葉を交わさずじまい。
夫は、息子に、自分の近くで働いてほしがっている。
なので、一日一日、待ち焦れ、息子の帰りを待つ。
(ああ、息子、まだまだ若いのに、社会に出て、まだほとんど経ってないのに、かわいそう。窮屈~)
自分だって、若い頃、帰って来てほしがる親に背を向け、好きな遠方の地で働いていたくせに、
そういう過去をすっかり忘れている。
なんでこうも、
高壓通渠きれいさっぱり、自分のしたことは忘れるのだろう。
ちょっとやそっとでは帰って来れない遠方の地を、赴任先に選んだ息子。
わたしは、その気持ちがよくわかる。
親孝行すぎるのも考えもの。
親の目の届かない地で、
天后通渠自由に、のびのび活躍してほしい。
我々は、まだ現役なんだから、若い人の手助けは、別に今のところ、要らないのだから。